足場解体時の注意点まとめ｜事故を防ぐ正しい手順と安全管理を徹底解説

足場の解体作業は、足場工事の中でも最も事故率が高い工程と言われています。
特に、部材の落下・転落・バランス崩れによる事故は解体作業中に集中しており、厚生労働省の統計でも毎年多くの労災が報告されています。

松本市・塩尻市・安曇野市の中信地域では、傾斜地・段差・道路の狭い住宅地が多く、足場解体時のリスクが増える傾向にあります。
この記事では、現場経験と法令根拠に基づき、安全に足場解体を行うための手順・注意点をわかりやすくまとめています。

1. 足場解体時に事故が起きやすい3つの理由

① 強度が低い「解体途中の足場」に乗る必要があるため

足場は組立時よりも、解体後半になるほど構造上の強度が低くなります。
そのため、最後に残った部材のバランスが悪くなり、転倒・崩落のリスクが高まります。

② 作業スペースが狭く、姿勢が不安定になりやすい

解体作業では部材を手前に引き寄せたり、次の支柱を外す姿勢を取るため、バランスを崩しやすくなります。

③ 部材落下による二次災害

メッシュシートの取り外しや手すりの撤去に伴い、支柱や踏板が落下しやすくなります。
歩行者・隣家・車両への被害も大きなリスクです。

2. 足場解体作業で必ず守るべき法律・義務

足場の解体は労働安全衛生法および安衛則で厳しく規定されています。
特に「作業主任者の選任」「墜落防止措置」「作業計画の作成」は必須義務です。

① 足場の組立等作業主任者の選任（安衛則 第14条）

足場の組立・解体・変更を行う現場では、必ず足場の組立等作業主任者を選任し、指揮をさせなければなりません。
主任者は安全措置・手順確認・作業者への指示を行います。

安衛則 第14条：作業主任者の選任
https://elaws.e-gov.go.jp/document?lawid=347M50000080032

② 墜落防止措置（安衛則 第518条）

高さ2m以上での作業では、フルハーネス型安全帯を使用した墜落防止措置が義務化されています。
足場解体時は支柱・手すりが減るため、墜落リスクが最も高い場面です。

安衛則 第518条：墜落防止措置
https://elaws.e-gov.go.jp/document?lawid=347M50000080032

③ 作業計画の作成義務（労働安全衛生法 第20条）

足場工事を行う際は、事前に「作業計画」を作成し、危険ポイントと対策を明確にする必要があります。
解体手順・立入禁止エリア・落下防止措置などを全作業者が共有することが義務です。

労働安全衛生法 第20条：作業計画
https://elaws.e-gov.go.jp/document?lawid=347AC0000000057

3. 正しい足場解体手順（現場フロー）

現場で実際に使用されている標準的な足場解体の流れを整理します。

① 周囲の安全確認と立入禁止措置

歩行者・隣家・車両の通行がある場合は、誘導員を配置し、危険エリアを完全に遮断します。

② メッシュシートの取り外し

高所作業車の通行や風の影響を考え、安全帯を使用して確実に作業します。

③ 上部から順に解体する

足場解体では必ず「上から下へ」が基本です。
手すり → 作業床 → 水平材 → 支柱の順に解体します。

④ 部材の集積・荷下ろし

支柱や踏板を安全に降ろすため、荷下ろし担当を配置し、落下事故を防ぎます。

⑤ 最終点検

敷地内の確認、道路の清掃、近隣への報告を行います。

4. 足場解体で発生しやすいトラブルと対策

① 部材の落下事故

原因の多くは「声かけ不足」や「受け渡しミス」。
対策として、支柱・踏板の受け渡し時は必ずアイコンタクトと声かけを徹底します。

② 転落事故

風の強い日・冬季の凍結時は特に転落リスクが高まります。
中信地域では冬季にメッシュシートへ着氷し、足場が不安定になるケースがあります。

③ 近隣トラブル

騒音・落下物・立入規制などが原因になります。
住宅密集地の多い松本市・塩尻市では特に注意が必要です。

5. 松本市・塩尻市・安曇野で足場解体を行う際の注意点

① 段差・傾斜地が多い

建物周辺に高低差がある現場が多く、支柱の不均等荷重による転倒リスクが高まります。

② 冬季の凍結・着雪リスク

冬場は踏板が滑りやすく、作業スピードを落として慎重に対応する必要があります。

③ 道路幅が狭い住宅地

道路占有が必要になるケースもあり、警察署への手続きを行うことがあります。

6. まとめ：足場解体はもっとも事故が多い工程。正しい手順と法令遵守が最重要

足場解体作業は、現場の状況・天候・周辺環境の影響を大きく受けます。
そのため、正しい手順・適切な安全装備・法令遵守が不可欠です。

松本市・塩尻市・安曇野のような地形が複雑な地域では、より丁寧なリスク管理が重要になります。
安全に工事を進めるためにも、経験豊富な専門業者に依頼することをおすすめします。