工事中の資材盗難とその対策｜松本・安曇野・塩尻で増加する被害の傾向と防止策【専門家解説】
建築現場で深刻化している問題の一つが資材盗難です。特に足場材・電動工具・配管材・銅線など換金性の高い資材は狙われやすく、夜間や無人時間帯を中心に被害が発生しています。
警察庁の統計によると、建設現場における窃盗事件は一定数発生しており、なかでも「無施錠・資材の屋外放置・死角の多い現場」で被害が発生しやすい傾向があります。【参照：警察庁 犯罪統計】
松本市・安曇野市・塩尻市を中心とした中信地域でも、住宅街や郊外の現場で同様の盗難が増加しており、現場管理者・職人ともに防犯意識を高める必要があります。
・工事現場で盗難が起きる理由
・犯人が現場を狙うときの思考パターン
・今日から実践できる防止策
・管理者・職人向けチェックリスト
1. 工事中の資材盗難が起きやすい理由
資材盗難の背景には、次のような要因が重なっています。
① 夜間・休日の「無人時間帯」が長い
住宅街では特に夜間の人通りが少なく、侵入しても気づかれにくい環境が整いやすくなります。
② 換金性の高い資材が多い
電動工具・銅線・新品資材は中古市場で売却しやすく、盗難の標的になりやすい傾向にあります。
③ 足場が“侵入経路”として利用される
足場が外周に組まれている現場は、敷地奥まで簡単に進入されやすく、盗難リスクが高まります。
④ 現場の所在が分かりやすい
工事看板・資材搬入・足場設置により「工事中」であることが外部に伝わりやすく、下見の段階で目を付けられるケースもあります。
2. 犯行者が狙う“典型的パターン”
資材盗難の多くは、犯行者の「行動パターン」が似通っています。これを理解することで、防犯対策の優先順位が明確になります。
■ ① 事前に現場の下見を行う
犯人は昼間に現場を“観察”し、以下のポイントをチェックします。
- 資材置き場の位置・外からの視認性
- 足場の位置と侵入ルート
- 監視カメラの有無
- 周囲の住宅・外灯・人通り
松本市・安曇野市では、「昼間は静かな住宅街だが夜はさらに人通りが減る」エリアがあり、こうした環境は非常に狙われやすい傾向にあります。
■ ② 無人時間帯（深夜・早朝）に侵入
犯行の多くは、早朝3〜5時のような“ほぼ無人状態”の時間に発生します。犯行者は懐中電灯を使わず、あらかじめ覚えたルートを素早く移動することもあります。
■ ③ 足場やフェンスを利用して資材まで接近
特に、足場が外部まで組まれている現場は「侵入ルートそのもの」が提供されている状態となります。足場を伝って暗所へ進み、大型資材の位置を確認した後、車へ積み込みます。
■ ④ 持ち運びしやすい資材から盗む
犯行は短時間で行う必要があるため、次のような“小型高額品”が優先的に狙われます。
- 電動工具（インパクト、グラインダーなど）
- 新品の銅管・電線束
- 小型の足場部材
- 小型の発電機やコンプレッサー
資材ごとに“盗まれやすさ”が異なるため、管理者は重点監視対象を明確にする必要があります。
3. 中信地域（松本・安曇野・塩尻）での盗難傾向
地域特性も盗難リスクに大きく影響します。
- 松本市：住宅街の密集地域では死角が多い
- 安曇野市：広い敷地のリフォーム現場で車が横付けしやすい
- 塩尻市：郊外エリアは夜間の人通りが極端に少なく狙われやすい
また、外壁塗装や足場工事の増加により資材置き場も増え、犯行者に狙われる場面が増えています。
4. 今日から実践できる資材盗難の防止策
① センサーライト・外灯で“視認性”を確保
盗難犯は「見られている可能性」を最も嫌います。暗所をなくすことは抑止の第一歩です。
② 資材の屋外放置を避け、倉庫やBOXに収納
特に新品資材は「外から見えないこと」が重要です。
③ QRコード・刻印による資材管理
盗難後の発見率が高まるだけでなく、盗難リスクを犯行者に意識させる抑止効果もあります。
④ SIM対応の防犯カメラを設置
録画できる環境は犯行者にとって大きなプレッシャーとなります。
⑤ 高額工具は現場に残さない
職人全員で「持ち帰りルール」を徹底するだけで、盗難リスクの半分以上は低減します。
5. 資材盗難の防止チェックリスト（増補版）
以下のチェックリストは、現場管理者・職人双方が毎日確認できる実践向けの内容です。
| チェック項目 | 内容（詳細解説） |
|---|---|
| 照明対策 | 夜間の暗所をなくし、資材置き場が外から見える位置にセンサーライトを設置する。郊外現場では特に重要。 |
| 視認性向上 | 資材を外から見える状態で置かない。ブルーシートで隠すよりも、施錠可能なBOX・コンテナを推奨。 |
| 施錠管理 | 倉庫・コンテナ・資材BOXに必ず施錠。鍵の管理者を明確にし、合鍵を不用意に増やさない。 |
| 防犯カメラ | SIM対応カメラなら電源不要で設置可能。抑止力＋証拠確保の両面で効果が高い。 |
| 工具持ち帰り | 特に高額電動工具は現場に置かず、全員が持ち帰る運用を徹底する。 |
| 周辺環境チェック | 隣家の死角・裏道からの侵入ルートの有無を毎日確認。松本市の住宅密集地では特に必要。 |
6. まとめ｜資材盗難は“対策の有無”で発生率が大きく変わる
資材盗難は「備えがある現場」と「無防備な現場」で発生率が大きく異なります。盗難が起きれば、資材ロスだけでなく、工期遅延・追加発注・お客様の信用低下など、多方面に影響が及びます。
足場業者・塗装業者・元請それぞれが役割を持って対策することで、現場全体の安全性が高まり、結果として近隣からの信頼も得られます。
中信地域では住宅街から郊外まで幅広い環境があるため、地域特性に応じた対策を選ぶことが重要です。盗難防止は「コスト」ではなく「現場の価値を守る投資」だと言えます。
外壁・足場工事に関するご相談は無料です。
中信地域（松本・安曇野・塩尻）を中心に、現場経験豊富な専門スタッフが丁寧に対応します。足場計画や防犯対策の相談もお気軽にどうぞ。
※本記事は警察庁の公開資料および業界情報をもとに作成しています。